◆NPO 養殖ブイ活用、いかだ作製 宮城◆
■大きさ自在、手つかず地点捜索へ
 東日本大震災で不明者捜索を続けるNPO(民間非営利団体)が、養殖用のブイを使い潜水捜索などに利用できるいかだを作製した。浮力が高く、用途に応じて形や大きさを変えられるいかだを用いることで、これまで捜索が困難だった岸壁やがれきがたまった地点での水中捜索の足がかりとなる。NPOでは石巻市大川地区などでの不明者捜索に活用していく予定だ。
 いかだを作ったのは被災地で不明者らの水中捜索などを続けるNPO「DSP災害支援プロジェクト」のメンバーやボランティア。長さ約110センチ、幅約75センチの養殖いかだ用のブイを中古で購入し、鉄パイプなどで組み上げた。ブイ10個を使ったいかだ1枚で約2トンの重量に耐えられ、計75個のブイを用いたいかだ数枚を組み合わせることで、重機の搭載や車両の引き上げも可能になるという。同団体によると、被災地の沿岸部の岸壁やがれきが残る波際では、船では現場まで近づけないなどの理由で水中捜索が行われていない場所が数多くあった。
 作製したいかだを使うことでダイビングの拠点を設けることができ、重機を積むことで水中サルベージも実施可能という。
 組み上がったいかだは、25日、児童・教職員84人が死亡・行方不明となった同市立大川小学校周辺の海岸で実施される水中捜索で使用。合わせて100人のボランティアらとともに周辺陸地の捜索も行われる。
 同団体の門馬宏明理事長(36)は「海上保安庁や警察ではできなかった捜索ができ、手つかずの地点で不明者などの発見の可能性もある」と捜索に期待を込めた。
産経ニュース 2012年8月25日‎
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